
2004年の夏を思い出すと、胸のあたりがヒリヒリする。あれは幻だったんじゃないか、と。
そう、ロック・オデッセイ。ロジャーとピート。THE WHO初来日。
時が経つにつれ、生き残ったあの2人と同じ空間にいたということが信じられなくなる。
僕がWHOを初めて聴いたのは、まだ洋楽といえばビートルズとストーンズくらいしか知らない10代半ばだった。ロック・ゴッドとしてのビートルズは天に近く、ロック・スターとしてのストーンズは星に近く、両者とも遠い存在のように感じていた頃だ。
そんな時CD屋で、店員が書いたと思しきキャッチフレーズが目に留まった。
「THE WHO:体制へ反抗する、思春期に聴くべきロックンロール」
当時、僕の心は闇に病んでいた。(じゃあ今は病んでないのかと問われれば、「still ill(by smiths)」)
一方的な枠にはめて子供を見る事しか出来ない大人達、人と同じものを好み異端なものを排他する同級生。その時シスの暗黒卿が現れたなら、僕はあっけなくダークサイドに堕ちていたことだろう。
だからWHOの反骨精神に触れた時、「これこそ自分の求めていた世界だ!」と、初めて自分の居場所を見つけたような気持ちになった。その瞬間、僕の音楽的志向が宿命的に決まってしまったのだ。
コンポーザーとしてのピート、パフォーマーとしてのロジャー、ミュージシャンとしてのジョン。そしてどんな肩書きも当てはまらないキース・・・。
その破天荒な人生に関しては今さら言うまでもないけれど、実際は紳士的な人だったという声も聞く。31歳でその命を奪うことになる、ドラッグやアルコールへと彼を突き動かしたものは一体なんだったのだろう。
マイク・マイヤーズ主演でキース・ムーンの映画が計画されているようなので、再び彼について思う時がやってくるはずだ。(それにしてもマイク・マイヤーズとは! 確かに晩年の雰囲気は似てなくもないけれど、いかんせんオースティン・パワーズのイメージ強すぎ。)
時が経ち、WHO以上に好きなアーティストやバンドもできた。
しかしWHOのCDはいつも見える場所にしまっておき、自分を見失いそうになった時、そっと取り出す・・・。
Who am I?
自分自身のルーツ・オブ・ロックとでも呼ぶべきバンド。
それが僕にとってのTHE WHOだ。
追記:最後に友人の心温まる一言を載せておきます。
ピートが、幼児ポルノサイトから画像をダウンロードしたとして逮捕された時のこと。
友達がポツリと呟いた一言です。
「Kids Are Alrightって、そういう意味だったんだ・・・」
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