
6月のとある仕事日、昼休みのこと。
本屋に寄ると、表紙がトム・ヨークのrockin'onを発見っ!
とりあえずインタビューを一気読みし、「かっこいーなー美しいなーほしーなー」と表紙をじっと眺めていた。
どうする。買うべきか、買わざるべきか。
しかしインタビューは読んでしまったし、欲しいのはトムの写真部分だけ。これ以上表紙を見続けているとアヤシイ人になってしまうので、最後にもう一度盲目に焼き付けてから本屋を後にした。
仕事場に戻ってみると、な、なんと! 同僚の机の上にrockin'onが!
幸い彼の姿が見当たらなく、表紙のトムも僕にもらってくれと懇願しているような目。
どうする。もらっとくべきか、もらわざるべきか。
でもこの雑誌、全部はいらないし(失礼)。
トムの写真部分だけ破っとくか。しかし僕がトム好きなのは同僚にとって周知の事実。トムの部分だけ破られてたら一発でバレバレだ。ならばプライマルも破っとくか。でも2大UKバンドがむしり取られていたらさすがにかわいそうだ。しょーがないから渋松対談でも破っとくか。いや待てそもそも人としてこのような行為いかがなものか。
悔い改めた。
正直にその同僚に頼んで「トムの写真部分だけ破らせてください」と頼むことにした。
断られた。心の狭い人だ。
なので、百歩譲ってコピーで我慢。
「いったいナニに使うんだこの人は」という疑惑の視線を感じたのは気のせいだろうか。
別にナニに使ってる訳でもなく、額に入れて毎日拝んでいるのだ。(というのは冗談で、絵の参考資料としてほしかったのです)
祝・トムソロ発売♪
という訳で自分的に発売を記念し、アルバム毎に順を追って、トムの髪型に関する考察も含めて振り返ってみたいと思う。
●バブロ・ハニー:「ロックンロールお兄ちゃん」時代
金髪のこの頃の髪型はかなり恥ずかしい。特にロン毛の時の写真は、今見ると笑撃的、いや、衝撃的だ。本人もこの頃の髪型を恥ずかしく思っているらしく、アルバム共々「なかったこと」にしたいらしい。
そういえばU2のBONOも、初期の頃の髪型を恥ずかしがっている。
これから出てくるバンドでフロントマンが恥ずかしい髪型をしている場合は、まず大物になると思って間違いないだろう。
●ザ・ベンズ:「きれいめボーイ」時代
僕がレディオヘッドに出会ったのはこの頃だった。
当時はいわゆるブリットポップが全盛で、オアシス、ブラーの他にもパルプ、エラスティカなどUK勢が充実していた。
(当時アイドル的だった印象のブラーが今聴くと前衛的に聴こえ、逆にオアシスの方がノスタルジックに響くのが面白い)
その中でレディオヘッドというバンドは、「そんなブームなんて関係ないよ」と言わんばかりのクールさで音を鳴らす異質な存在。オアシス、ブラー以上に、僕の心をがっちりと捉えた。
はじめて見たトムの印象は・・・。いしだ壱成?
●OKコンピューター:「地球外生命体」時代
雑誌で久々に見たトムの姿。
「いったい何があったんだトム・ヨークっ!」
本を握りしめワナワナと震えた。頭髪に関してはもはや何も言わないが、さながらその風体は宇宙人のよう。いしだ壱成から一気に地球外生命体へと変貌。
しかし、その音を聴いてみて、全て納得。
「やってくれたよトム・ヨークっ!」
僕にとって、このアルバムが出た1997年は、音楽的にちょっと面白い年だ。それは、U2の「POP」と、レディオヘッドの「OKコンピューター」が出た年だから。
U2は、「あんまり考えこむのはやめようよ」「自分の内側を覗いたら見えてくるものが怖いから」 (by STARING AT THE SUN) と歌い、我々を内面から解き放ち「理想」の地へと導こうとした。しかしその世界はあまりにも肥大化された場所で、僕にとっては途方もなく広すぎて居心地の悪いものだった。
それに対しレディオヘッドは、我々の「現実」をそのまま切り取り、世界に晒した。それはとてもグロくて、気持ちの悪い物。なのにこの「現実」は、「理想」よりもはるかに人を救ってくれるものだったのだ。
「何かを得るには、何かを犠牲にすることが必要」(by 鋼の錬金術師)
トム・ヨーク。お前はその髪と引き換えに、とんでもないものを生み出した。
そして僕自身まで、トム・ヨークの写真を見かけるとむしり取りたい衝動に駆られる狂気の人へと変貌させてしまったのだ。
しかし、本当に驚くべきはこの後だったのである。
・・・さて、続きをやるのがめんどくさ、いえ、続きをやるには長くなり過ぎました。この続きはいつかやりたいと思います。村上春樹風に言うと、やるかもしれないし、やらないかもしれません。我々が立っているこの世界は極めて不確かなものなのです。
そんな不安定な世界で、信頼できるアーティストがいることに喜びを感じます。
7月5日は、トムの贈り物をもらいに、CDショップへ走りたいと思います。半分の期待と、半分の不安を胸に。
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