
2007年8月11日土曜日、友達との待ち合わせに間に合うように、1時半過ぎに東京駅に着いた。
今回のお目当ては主に、
DIGITALISM、
MODEST MOUSE(というかジョニー・マー)、
TRAVISの3組だ。それにしても外にいるだけで汗が噴き出してくる暑さである。
ついに幕張メッセに着いた。
すでに3時を回り、デジタリズムはとうに始まっている。人の熱気のせいか会場の中もいまいち冷房のききが悪い。
デジタリズムのライブは最悪”Pogo”さえ聴ければいいと思っていたのだけれど、運良くクライマックスにやってくれた。バーナード・サムナーを彷彿とさせる拙いヴォーカル。しかし、映画「マトリックス」のようなスクリーンを背景に、ダンスユニットがパンクをやっているようで新鮮な気持ちになれた。
さて、この時点ですでにバテ気味。
体力を温存するために、100人〜200人くらいの人がシートの上に横たわっている倦怠感にあふれた休憩フロアで休むことにした。僕も横になって、しばらく巨大な天井を見つめながら矮小な自分の存在に想いを馳せていると、友達が重大なことに気づいた。
「帰りの電車の切符を買ってない!!」
という訳で、もう一度海浜幕張駅に直行である。しかし、駅がどの方向なのか分からない。
至る所に地図があるのだけれど、どれも”現在位置が分からない”という地図としての致命的欠陥を抱えている。
なので係員に聞くことにした。しかし、「駅はどこですか?」という超基本的質問に対し、まるで自分が村人の中から選ばれた犠牲的捧げモノであるかのようにおろおろと戸惑う係員。
それでも何とか幕張メッセから出ることができ、2人で汗だくだくになりながら駅へと向かった。
友達「急がないとジョニーを最初から見れないよ。1万5千円分の元がとれない」
僕「俺を見れたんだからいいじゃん」
友達「・・・(冷たい目)」
僕の冗談でちょっと寒くなることができた。
せっかく休んだのにまた疲労が蓄積されてしまったが、とにかく切符を買い、再度幕張メッセへ。
モデスト・マウスが始まり、ジョニー・マーが向かってステージ左に現れる。
演奏が始まると、意外にもジョニーが機敏に動き回る。
友達「Smithsのライブビデオでは全然動いてなかったのに」
僕「モリッシーに遠慮していたんじゃない?」
友達「これがほんとのお前だったのか!!」
さらに、ジョニーが歌う。
僕「ヒーラーズ以来だね・・・」
友達「お前は歌うのはヤメロって言ったのに!!」
さらに、ジョニーが喋る。
僕「ジョニーが喋ってるよ!」
友達「ジョニーが喋ってる!」
「おい、ジョニーが喋ってるぞ!」とざわつく会場。
バンド自体は楽器が多彩なためか音がかなり分厚く、正直僕の好みではなかった。
それでも時折ジョニーのギターが聴こえると、懐かしい草原の風が吹いてくるようだった。いつかまた、ジョニー・マーの生ギターが聴ける時が来てほしい。
会場は人が増え、トリのTRAVISの登場だ。
なぜか「ロッキーのテーマ」が流れ、ボクサー姿のメンバーが颯爽と登場する。
ステージを元気良く動き回るフラン・ヒーリー。TRAVISというと叙情的で寂しげな印象があるが、ライブはとてもアクティブな印象を受けた。
とにかく演奏がシンプルでいながら完璧、フランの声も伸びやかで心地よい。新作「THE BOY WITH NO NAME」と最高傑作「THE MAN WHO」を中心に申し分ない選曲で、本編最後の”Turn”まで解放感にあふれる内容だった。
友達「ダグラスってヒュー・グラントみたいだね」
僕「というかハリー・ポッターのロンに似てない?」
友達「失礼な! でもフランはなんか卵みたいだよね。あるいはキューピーちゃん」
アンコール、”Why Does It Always Rain On Me”"はミディアムテンポの曲なのに、まるでパンクバンドのように観客がタテノリ状態。間奏でフランが「英語が分かる人、”次の繰り返し部分でジャンプして”って隣の人に教えてあげて」とMC。
そしてリフレイン。疲れで今にも倒れそうだったが、ジャンプ、ジャンプ!
周りも、誰もジャンプしていない人はいない。
跳びながら、普段の生活では到底味わえない”一体感”を感じることができた。
この中にいる全ての人が熱狂的なTRAVISファンという訳ではないだろう。僕だって、このライブを見るまではそうだった。けれどその場にいる全ての人を一つにしてしまう力、それがフェスの醍醐味なのかもしれない。
純粋に音楽を楽しむならやはり単独ライブだけれど、気軽に色々なミュージシャンを楽しんで、その中のいくつかのミュージシャンに心を奪われる。一年に一度くらいはフェスもいいなぁと改めて思った。
帰りは駅ホームに人があふれすさまじい状態になったが、疲労感以上に充実感あふれる、2007年の真夏の一日だった。
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